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「読パブコメ会 鹿児島市文化芸術推進基本計画(素案)を読む!」報告

5年ぶりに改定となる鹿児島市文化推進基本計画(素案)は、2年間の策定期間を終え、現在(2021.12~2022.1.19)意見募集中である。
読パブコメ会参加者には、事前に素案の第1章「策定の趣旨」および第3章「基本方針・基本施策」第4章「計画の推進」に目を通してもらい、以下の意見があつまった。

 

〇素案について
・「1 策定の趣旨」の4行目以降8行目まで「本市は、黒田清輝、藤島武二…などの豊かな地域文化 

 があります。」の下りは過去にとらわれすぎており、現状への繋がりが感じられないので必要

 か。

 

・子どもや高齢者などは対象になっているが、就労年齢こそアートに接することで、事業のブラン

 ディングなどにいかせるのでは。アートの創造性に積極的に触れることが「稼ぐ力」にも繋がる

 のでは。

 

・基本目標の「つながり」は「3 施策の展開」にどのように具体的に落とし込まれているのか。

 

・「文化薫る地域の魅力づくり実行委員会」の成果と課題は記載があるが、現計画の包括的な課 

 題が記載されていない。素案の検討に必要ではないか。

 

・全体的に市民と行政の双方向性が欠けている。行政からの一方的な提案という印象が強く、市民

 の活力をいかし、共に創る姿勢が全く感じられない。これからは共創の時代では。

 

・「基本目標」の〈文化芸術で多彩につながり未来をひらく 文化創造のまち かごしま〉に市民 

 と対話しながらともに作るというニュアンスを入れてほしい。

 

〇改革すべき鹿児島の文化行政・文化芸術環境は?

・鹿児島にいても、自分にも何かができると子ども達に思わせる刺激や機会の充実がほしい。

 このままの文化の土壌を次世代に渡せない。

 

・プランの実施において、市民が求めるものを反映しているのか疑問。

 

・策定員や文化薫る地域の魅力づくり実行委員会のメンバーが固定化されているのではないか。そ 

 こから新しい発想が生まれてくるのか。

・数年おきに変わる市職員がプラン運営をするのではなく、アーツカウンシルなどを立ち上げ専門 

 機関が実施することで蓄積されていくものがあるのでは。


・アートマネージメント講座を継続して開催し、市民が立ち上がり企画する動きをサポートすべき



文化行政のさまざまな施策は、上から降りてくるものであり、一般の市民とは直接関係のないものという印象を持つ参加者もいた。文化行政と市民との乖離を減らし、当事者意識をもってもらうかが大きな課題と感じた。
ただ市民企画の文化事業に助成金を補助するのではない、市民の魅力的な発案を具体的な施策として市がともに実行していくこと。その仕組みにより、新規性のある、よりアイデアに富んだ文化事業が展開できるのではないか。また多くの市民が当事者意識をもって積極的に市政に参加していくことこそが、地域の魅力づくりや活性化に繋がるのではなかろうか。そもそも素案には「市民とともに」という姿勢が抜け落ちているという指摘は見逃せない。
鹿児島市の場合、パブコメで寄せられた意見は個別にA~Eに振りかけられ、オンラインで公表される。ぜひこの機会に意見をよせてみませんか(文責:原田)!


鹿児島市の意見への対応区分

A.意見の趣旨等を反映し、基本構想・前期基本計画(案)に盛り込むもの

 

B.意見の趣旨等は、基本構想(案)・前期基本計画(素案)に盛り込み済みのもの

 

C.基本構想・前期基本計画(案)に盛り込まないもの

 

D.実施計画・個別計画の検討、具体的な事業の実施にあたり参考にするもの

 

E.その他要望・意見等

 

 文化芸術推進基本計画(素案)意見募集について(鹿児島市HP
〆切は2022年1月19日(水)